Mar 14 2021

系によってLorentz力をどう考えるかー01

磁場Bにおいて、速度vで運動する電荷qの荷電粒子に働くローレンツ力を考える場合、
速度vは何に対する速度か?という問題。

御茶ノ水駿台予備校の物理授業で、
S先生に以下の1.のように教わったと思う。

1.まずは基本

・下向きに働く静磁場Bがあると、左右に速度Vで移動する系では、
 電場が観測される。
・速度Vをうまく調整すると、電場が0になる。その系を∑とする。
・系における、荷電粒子の移動速度をとすると、
 ローレンツ力=qB
 

2.移動する系∑’ からみた場合。

・電荷と同じ速度で系にたいして運動する系∑'において、
 電荷qは運動していない(v’=0)が、系∑'において、電場E=B
 
がはたらくので、系∑'においても、電荷qにqEの力が働くのが観測されるはず。

2’.電流の電荷移動速度と同じで移動する電荷qに力が働くか?

・系に対し、適切に被覆された電流 が流れ、系で下向き磁場Bが観測され、
 電場は観測されていないとする。
・電荷qが静止して見える系∑'で考えると、電流速度0で電流=0となるが、
 被覆がローレンツ収縮して電場が漏れて、力qEが働く。(某書籍で確認済み)
・これは、系からみて、ローレンツ力qBが働く現象と矛盾しない。

3.系に対し、「速度Vで等速運動する横に大きな磁石」による磁場Bを考える。

以下物理学科出身のM氏による解説:

・磁石の磁場は円電流による磁場であり、小さな四角形の電流とみなすと、
 運動方法の正向き電流、負向き電流の2本の電流に帰着される。
・2本の電流が、系∑に対し、同じ速度Vで移動しても、効果が総裁して、
 系で静止する電荷qに力を及ぼさない。

4.M氏と思考実験、一本の電流が相対運動する場合。

・系に対し、適切に被覆された電流 が流れ、系で下向き磁場Bが観測され、
 電場は観測されていないとする。
・電流 I (導線自体)が、系に対し相対速度Vで移動した場合、系での静止電荷qに力が働くか?
 (つまり、系∑’ の方で、電流 I が流れている。)

 注意:電流 I が増加するだけと考えず、移動系∑’で電流 I が流れ、ローレンツ収縮により被覆が収縮し
    電場が漏れて、電荷に静電気力が働く、と考察した。
    系∑からみて、電流はI+⊿Iに見えるが、被覆がローレンツ収縮して電場が漏れる。

5.以上のような考えで合っているのか、ご意見賜りたい。

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Created by Akiyoshi Yamakawa on 2021/03/14 21:17