系によってLorentz力をどう考えるかー01
磁場Bにおいて、速度vで運動する電荷qの荷電粒子に働くローレンツ力を考える場合、
速度vは何に対する速度か?という問題。
御茶ノ水駿台予備校の物理授業で、
S先生に以下の1.のように教わったと思う。
1.まずは基本
・下向きに働く静磁場Bがあると、左右に速度Vで移動する系では、
電場が観測される。
・速度Vをうまく調整すると、電場が0になる。その系を∑とする。
・系∑における、荷電粒子の移動速度をvとすると、
ローレンツ力=qvxB
2.移動する系∑’ からみた場合。
・電荷と同じ速度vで系∑にたいして運動する系∑'において、
電荷qは運動していない(v’=0)が、系∑'において、電場E=vxB
がはたらくので、系∑'においても、電荷qにqEの力が働くのが観測されるはず。
2’.電流の電荷移動速度と同じで移動する電荷qに力が働くか?
・系∑に対し、適切に被覆された電流 I が流れ、系∑で下向き磁場Bが観測され、
電場は観測されていないとする。
・電荷qが静止して見える系∑'で考えると、電流速度0で電流=0となるが、
被覆がローレンツ収縮して電場が漏れて、力qEが働く。(某書籍で確認済み)
・これは、系∑からみて、ローレンツ力qvxBが働く現象と矛盾しない。
3.系∑に対し、「速度Vで等速運動する横に大きな磁石」による磁場Bを考える。
以下物理学科出身のM氏による解説:
・磁石の磁場は円電流による磁場であり、小さな四角形の電流とみなすと、
運動方法の正向き電流、負向き電流の2本の電流に帰着される。
・2本の電流が、系∑に対し、同じ速度Vで移動しても、効果が総裁して、
系∑で静止する電荷qに力を及ぼさない。
4.M氏と思考実験、一本の電流が相対運動する場合。
・系∑に対し、適切に被覆された電流 I が流れ、系∑で下向き磁場Bが観測され、
電場は観測されていないとする。
・電流 I (導線自体)が、系∑に対し相対速度Vで移動した場合、系∑での静止電荷qに力が働くか?
(つまり、系∑’ の方で、電流 I が流れている。)
注意:電流 I が増加するだけと考えず、移動系∑’で電流 I が流れ、ローレンツ収縮により被覆が収縮し
電場が漏れて、電荷に静電気力が働く、と考察した。
系∑からみて、電流はI+⊿Iに見えるが、被覆がローレンツ収縮して電場が漏れる。
5.以上のような考えで合っているのか、ご意見賜りたい。