系によってローレンツ力がどう変わるか-02
忘れないうちに検討・考察結果をメモしておく。
ある系∑に対し、速度Vで並行移動する系∑’があるとする。
(Vは光速よりはるかに小さいとする。)
大きな磁石が、系∑’とともに動いているとする。(系∑’内では磁石は速度0)
言ってみれば、系∑’ は、大きな磁石を携えたロケットで、
それが系∑に対し速度Vで移動しているということになる。
問題提起:
系∑で静止する電荷qと、系∑’で静止する電荷q’について、力の働き方はどうなのか?
・∑’から見ると、電荷qは速度ーVで移動しており、ローレンツ力が働くようにみえるが、
系∑で考えると、静止していて、ローレンツ力が働かないように思える。
考察:
・前出Lorentz_01で述べたとおり、磁石は逆向き2本線電流モデルであり、
これが速度Vで動いても効果は相殺して、
系∑、∑’において、磁場Bはどちらでも同じ、観測される電場E、E'も、
それぞれの系においては不変。
・磁場Bに対し、観測される電場が0であるような系が存在するはず。
それが∑であれば、電荷qにはローレンツ力は働かず、電荷q’にはローレンツ力が働くはず。
・逆に、それが∑’の方であれば、電荷qにはローレンツ力が働き、電荷q’には
ローレンツ力は発生しないはず。
・一見、ロケット∑’系内のq’にローレンツ力が発生しないようにも思えるが、
磁場B内を進むロケットということになり、電荷q’にもローレンツ力が発生し、
導体棒であれば、電流が流れたり、起電力が発生したりするのだろう。
それに抗して導体棒を進行方向にすすめるためのエネルギーが必要となる。
(大学受験問題でよく出題される件。)
とりあえず、以上のような結論に達したが、識者によるご指導・ご解説を望みたい。