Mar 22 2021

系によってローレンツ力がどう変わるか-02

忘れないうちに検討・考察結果をメモしておく。

ある系に対し、速度Vで並行移動する系∑’があるとする。
(Vは光速よりはるかに小さいとする。)

大きな磁石が、系∑’とともに動いているとする。(系∑’内では磁石は速度0)

言ってみれば、系∑’ は、大きな磁石を携えたロケットで、

それが系に対し速度Vで移動しているということになる。

問題提起:

系∑で静止する電荷qと、系∑’で静止する電荷q’について、力の働き方はどうなのか?

・∑’から見ると、電荷qは速度ーVで移動しており、ローレンツ力が働くようにみえるが、
 系∑で考えると、静止していて、ローレンツ力が働かないように思える。

考察:

・前出Lorentz_01で述べたとおり、磁石は逆向き2本線電流モデルであり、
 これが速度Vで動いても効果は相殺して、
 系∑、∑’において、磁場Bはどちらでも同じ、観測される電場E、E'も、
 それぞれの系においては不変。
・磁場Bに対し、観測される電場が0であるような系が存在するはず。
 それが∑であれば、電荷qにはローレンツ力は働かず、電荷q’にはローレンツ力が働くはず。
・逆に、それが∑’の方であれば、電荷qにはローレンツ力が働き、電荷q’には
 ローレンツ力は発生しないはず。
・一見、ロケット∑’系内のq’にローレンツ力が発生しないようにも思えるが、
 磁場B内を進むロケットということになり、電荷q’にもローレンツ力が発生し、
 導体棒であれば、電流が流れたり、起電力が発生したりするのだろう。
 それに抗して導体棒を進行方向にすすめるためのエネルギーが必要となる。
 (大学受験問題でよく出題される件。)

とりあえず、以上のような結論に達したが、識者によるご指導・ご解説を望みたい。

 

Tags:
Created by Akiyoshi Yamakawa on 2021/03/22 15:56